小説

【感想・あらすじ】誰にも理解してくれない苦しみと静かな幸せへの希望『流浪の月』/凪良ゆう

2020年本屋大賞を受賞した、凪良ゆうさんの作品です。幼女誘拐事件の犯人と、その"被害者"とされた幼女のその後の物語。二人の関係性は世間が思っているものとは程遠く、実は、幼女はその男に助けられていたのです。苦しさを感じつつもページを捲る手は止ま…

【感想・あらすじ】"たくらみ"に満ちた連作恋愛短編集『累々』/松井玲奈

2021年1月に発売された、松井玲奈さんの小説第二作目。紹介文に"たくらみに満ちた自身初の連作短編集"とある通り、この短編集にはちょっとした仕掛けが施されています。全体を通しての感想を書いてしまうとネタバレになりそうなので、今回は1つ1つのお話に…

【感想・あらすじ】"勉強ができる"とはどういうことか?『ぼくは勉強ができない』/山田詠美

1996年に発行された、言わずと知れた山田詠美さんの名作。初めて読んだのは主人公の時田くんと同じ高校生の頃で、当時もそれなりに楽しんで読んでいた記憶がありますが、大人になってから読むとまた違った感情が湧いてくるから面白いものです。それでは、あ…